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マテウスの日々の思いをぶつける場

新庄監督率いる日本ハムの大苦戦は必然!ウケ狙いで低迷して迷惑をこうむるのは選手の方。選手の生活や契約に思いを巡らせよ。

2022年プロ野球が開幕し、そろそろ試合数も平均して15試合くらいになり、一巡したところか。日本ハムのファンには申し訳ないが、どうしても気になることを述べておきたい。

 

昨年オフから注目度を高めていた日本ハムが最下位に低迷中。しかも開幕からは5連敗。昨オフに就任した新庄剛志氏が監督となり、当初から「俺のことをBIGBOSSと呼んでくれ」ということで、マスコミがしきりに飛びついて新庄フィーバーが始まった。それだけに開幕から苦戦続きでは拍子抜けするというもの。

 

元々新庄監督就任の際、日本ハムは戦力的には苦しく、新庄監督自身も選手の適性を見て育成したい、フロントにしても、優勝や勝つことにこだわらないというのがお互いの共通認識だったようだ。「BIGBOSS」発言も勝てない分、パフォーマンスやウケ狙いが前提だったのだろう。

 

だがプロ野球の世界は「勝てば官軍、負ければ賊軍」だ。勝てれば監督未経験の「BIGBOSS」も新時代のリーダーなどと持ち上げられただろうが、現実には4勝12敗(4月13日現在)の最下位。負けても観客動員が順調なら救いもあるが、今年札幌ドームで主催した4試合目のホーム戦にして早くも観客動員1万人を割ってしまった。

 

それでもせめて新庄監督が試合後の会見で無理してでも笑顔で前向きなコメントをすれば救いはあったが、それも徐々に鳴りを潜め、それどころか、某野球評論家による「日ハム100敗論」に対して、気色ばんで批判していた。とはいえ、4月3日にNHKスポーツ番組に出演していた落合博満氏による厳しいコメントが残酷ながらも的を得ている。

 

「優勝を目指さないなんて、俺の中ではないですね」
「ファンは宝。そして野球を見に来たお客さんを勝って帰らせるのが最高のファンサービス。今のままでは自分だけ目立ってしまっているだけの感じ」

 

まさにその通り。お客様はお金を払ってスタジアムに足を運ぶ。負けるにしてももう少し現実的な戦い、チームが一丸となったガムシャラさを見せるべきだ。

 

何より問題は、選手の生活・契約。新庄監督の方針だと昨年まで出場機会が少なかった選手にはチャンスだが、盤石のレギュラー級選手にとっては今までよりも調整方法が変わるなどやりづらくなる。まして投手の場合、投球回数や出場イニングに影響し、ケガのリスクもある。今の新庄采配によって力を出し切れず、オフの査定で理不尽な減俸、下手すれば契約満了もありうる。フロントが勝ち負けにこだわらずとも、選手にとっては1年1年が勝負。そこを理解してあげないと、選手たちがかわいそうだ。何より選手の家族にまで苦痛を味わわせてはならない。

 

日本ハムは北海道移転後、選手の査定・契約が明らかにシビアになった印象だ。同時に著しく華のある、突出したスター選手は特別扱い。そういう傾向がみられる。昨年オフで引退した投手斎藤佑樹に対する扱いも他の選手のそれとは格差がありすぎた。こういうやり方も長期的にみると、他の選手からの反発を招くことになる。実際、近年の日本ハムは主力選手がわりと短期間で移籍するケースが多い。こういうチーム体質を変えていかないと、今後新庄監督よりも力量が上の監督が就任しても、プロ野球ビジネスの生命線である入場料(観客動員)の面で苦戦することは必至。そういうところも考え直す必要がありそうだ。

 

何といってもスポーツの主役は監督でもフロントでもなく選手。そこを忘れないように。