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4回転半ジャンプ失敗でメダル逃すも羽生結弦は誇りと勇気を示した。結果が全てではない世界もある。

北京五輪の男子フィギュアスケートで3連覇を期待された羽生結弦はまさかのメダル逃しとなる4位に終わった。前人未到の4回転半ジャンプに挑戦したが転倒。さすがの羽生結弦もこればかりは困難だったようだ。

 

ショートプログラムで8位と出遅れたのが痛かった。この時は序盤で些細なレベルだがミスがあった。それと足の状態も万全ではなかったようだ。1位のネイサン・チェンとの差が大きく、彼がフリーでミスをするとは思えないだけに、羽生はまだ成功してなくとも4回転半ジャンプに賭けるしかないない状況となった。

 

フリーではいきなりの4回転半ジャンプに挑戦するも転倒。しかも2度目まで。その後4回転サルコウも転倒したのは痛かったが、それでもフリーでは188.06点と3位、総合では4位まで這い上がってきた。

 

一時期は男子フィギュアは日本人3人で表彰式独占もありうると予想されただけに、大本命の羽生が銅メダルすらとれなかったのは驚きだ。それでも「オリンピックには魔物が棲んでいる」という定説もあるだけに、4回転半ジャンプに失敗したのは大きかった。とはいえ、世界で前人未到の4回転半ジャンプに挑戦したことは非常に勇気があるし、後世に伝わっていくだろう。そういう意味では羽生結弦は過去V2王者としての誇りと勇気は見せてくれた。そして彼を上回った3人、中でも金メダルのネイサン・チェンと銀メダルの鍵山優真は出色の出来だったといえる。

 

何より羽生結弦は過去に五輪で2連覇してきた。それだけでも偉大なのに、3連覇のかかった今大会でまだ未完成の4回転半ジャンプに挑戦したのは逃げない勇気を感じた。昨今は何かと結果だけが求められるが、少なくともスポーツにおいては、結果だけではない「感動」というものもある。「結果が全て」という世知辛い世の中で、誰もが夢見るような奇跡の技を見せようとした以上、たとえ失敗に終わってもその過程は評価すればいい。他のスポーツ、あるいは仕事や勉強でも、苦労している人にとっては励みにもなっただろう。

 

ISUは回転不足と判定しながらも4回転半として認定した。これでフィギュアスケート界のレベルアップが期待されていくだろう。羽生結弦は新たな歴史を作り、人々を感動させた。ある意味、メダルよりも価値あるといえよう。結果だけが全てではないということに気付かせてくれたことに感謝したい。同時に、メダル獲得した3選手の結果と頑張りも讃えたい。